シンデレラに玻璃の星冠をⅡ


僕が今――

していることは何なんだろう。


僕は一体何をしたいのだろう。



櫂との約束を守りたい

芹霞を守りたい。


だけど"僕"の――

断ち切れぬ、邪な欲望は渦巻いていて。


それを狂気というのなら、

"僕"は確実に育っている。


切迫感に喘ぐ僕は…

"僕"に取り込まれようとしている。


ざわざわとざわめく狂気が、僕を煽り立て――

僕が破滅させられそうだ。


欲望だけに暴走して――

芹霞の純潔を力尽くで奪ってしまいそうだ。



考えるべきことはそれではないのに。



僕がすべきことは。



すべきことは――。


すべきことは――…?



思考が乱れ、夜も眠れない。


考え出せば狂い出しそうなんだ。



蔑む目。

人前での罵倒。


そんなものはとうに慣れている。


その対処方法は…経験から学んできた。



だけど――

僕の芹霞が…他に惹かれていく様を見せつけられて、平静にはしていられなくて。


それが櫂と同じ顔で。


櫂を追い詰めた男で。


僕が跪いた男で。


どうして、どうして!!?

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