シンデレラに玻璃の星冠をⅡ

エレベーターが開いたワンフロアが七瀬宅だ。

そうした造りは、櫂様と住む私達のマンションと似ている。


そしてエレベーターのドアが開く。



私は――




「え!!!?」



絶句した。




そこは一面――


蛆と蚕に覆われた、白い世界だったからだ。



見覚え在る。


これはS.S.Aと同じ。


巨大な蚕から…やはり"何か"は出て行った後のようで、床には黄色い汚濁粘液が点々と付着していた。



七瀬宅の玄関自体――


蛆に食われ…障壁が何もなく。



次いで私は言葉を失った。



蛆に覆われた真っ正面の壁にかかっていたのは十字架。



そこに両手を広げて繋がれていたのは――




「何で…!!!?」




朱貴だった。



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