シンデレラに玻璃の星冠をⅡ


結局あの後――。


久遠に偉そうな鐘(ベル)の音で呼び出された俺達は、1階に居る彼らの元に到着するや否や…まるでタイミングを見計らったかのように、番組責任者だとかいう3人の男が屋敷に押しかけてきて、久遠と久涅とで中継の打ち合わせを始めてしまい…久涅に記者会見の真偽を質すことはおろか、久遠にすらその事実を告げることができなかった。


苛々しながらその成り行きを見守っていた俺達だったが、


――あ、各務さんと紫堂さん以外必要ないから、違う処でおとなしくしてて。


これ幸いと俺も引っ込もうとした処、


――ああ、この久遠の夜伽女も一緒に撮影してくれ。


にやりと久涅が笑って。


――よ、よよよ夜伽!!?


番組責任者達は口を開けたまま固まった。


同時に――

蓮が用意した紅茶に、すました顔で口をつけていた久遠は、途端ぶーっと吐き出した。


久遠らしからぬ"品のない"光景に、誰もが送った奇異なる目線。


――何。


ふんぞり返って口元を拭いながら、何も無かったかのように振る舞えるのは、ある意味"さすが"。


吹き出すほど嫌悪感覚えるならば、例え一時凌ぎでもそんな戯れ言を言わないで欲しい。


俺はまだ赤くなったままじんじん痛む手を、無意識に摩った。


――彼女…いいねえ、華になりますよ!!


戯れ言を言うのは久遠だけではなく、好色な目を向けるテレビ局の人間もそう。

――各務さんの…夜伽なら、高嶺の花か。


俺は――男だ!!!




< 700 / 1,495 >

この作品をシェア

pagetop