シンデレラに玻璃の星冠をⅡ

・出現 桜Side

 桜Side
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「――電脳世界側から


潰していくつもりか。


――結界を」



朱貴はそう言った。


煌と皇城翠が怪音を聞いたという赤坂、六本木。


判断材料がそれだけで、どうしてその結論に辿り着いたというのか。


"電脳世界側から"


そもそも電脳世界などいうものは、玲様を介しての"住人なき無機的な異次元"としてでしか知りえぬ私は、電脳世界には"攻撃する存在"も"攻撃する意志"もあるようには思えなく。


電脳世界が異常事態に陥っているのだろうか。


私は、S.S.Aでの玲様の話を思い出した。


玲様が把握出来ぬという"虚数"の存在。

"Zodiac"



仮に――

Zodiacら…"虚数"と呼ばれる異分子が氾濫して0と1の秩序を乱していたとして、その攻撃手段が、何故私には聞き取れぬ"音"だ?


赤坂。

六本木。


その地域は、電脳世界と音と関係があるのか?

仮に関係があるとして、どんな結界を誰が潰そうとしている?


誰もが、考え込んだように沈黙した朱貴に続きを求めた。


「第2段階(ステージ)に入ったのか…。

だとしたらもうすぐ…」


ただ不穏な言葉だけが積み重なり


「朱貴~、結界って何だよ?」


様々在る質問中、1つに絞ってそれを尋ねたのは皇城翠で。


「古来より、日本の要たる東京を守護する"封印"とでも言うべき結界は7種あります」


初耳だ。


「総じて"七星の封印"といいますが…7種の内、2種は完全に破られた」


「誰にだよ?」


煌の声に朱貴は憮然とした表情のまま言った。


「"こうおう"によって」


「紅皇?」


朱貴は首を振った。


「黄皇。黄色い方です」

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