シンデレラに玻璃の星冠をⅡ


「え?」


「僕に…決定権があったよね、"お出かけ"の」


「う、うん…」



何で突然?

玲くん…ストレス爆発?



「"お出かけ"したい」



その顔は決意に満ちていて。



「もう――

嫌なんだ、このままの関係。


このまま…"影"に怯えていたくない。


僕は――諦められない」



「玲くん?」


何だか――

少しばかり様子が違う。


今までの…ちょっと意地悪な玲くんとも違う。

最近、"ごめん"ばかりを繰り返し、疲労色を濃くして元気がなかった玲くんとも違う。


透き通るような白肌は微かに紅潮し、鳶色の瞳は鋭くなる。



「"お出かけ"しよう、芹霞」



玲くんは、再度…繰り返し――



「宣言しておくよ、芹霞。


僕は――


"お試し"で終わらせる気はない」



そう言うと…

まるで久涅のように、不敵に笑った。



どくん。


心臓が不穏な音をたてたのは――


波乱に幕が開いたことを示す…警鐘だったのかもしれない。



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