コトバナ屋~お求めの言葉は何ですか?~
黒猫は案内する。

「もう、あんたとはやってられないわ!」

「なっ!」


人通りの多い駅前で

いきなりそんなことを言われて、

俺は驚いて彼女を見つめた。

「いきなり何を言ってるんだよ」

「だって、カドマは私のこと

好きでも何でもないんでしょ!」

「はぁ?」

好きでもないなら

4年も付き合っていない。

それなのに何故そんなことを

言われなくてはならないのか。

そう言おうとしたが、

それを遮るように彼女――カンナが叫ぶ。

「だって、今までに一度でも好きって

言ってくれたことあった!?」

「そ、それは・・・・」

「無いわよ!一度もね!!」

ヒステリックに叫ぶカンナは、

たじろぐ俺に詰め寄ってくる。


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