リクエストを基にした・【Kiss】シリーズ 『甘々』・7
『甘々』・7
アタシはつねづね思うことがある。

もしかして彼氏にこの人を選んだのは、間違いだったのかもしれない―と。

その理由は…。

「ねぇねぇ、もうすぐクリスマスよね? イルミネーション綺麗な場所に行かない?」

とアタシが言うと、彼氏はニッコリ笑顔でこう言う。

「行かない」

「ええっ!?」

驚きと悲しみのあまり涙ぐむと、彼氏はいきなりプッとふき出す。

「ウソウソ。行くって」

「ほっホント…?」

「ウソ」

「どっちなのっ!」

「アハハ」

…どうやら彼氏はドの付くSだった。

……いや、それは何となく気付いてはいた。

高校入学時から何となく彼とは気が合って、一緒にいることが多かった。

二年生になって、アタシの方から告白した。

それはまあ、やっぱり恋人になりたから。

そして少しでも、彼に優しくしてほしかったのに。

今でも彼は変わらず、イジワルだった。
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