白緑蝶"vacances【続2】
「・・・

 ツアーに出てヒワに逢いたく
 ても逢えない夜は

 ソラのやつ、未だにユラって
 寝言で呼びながら、枕抱いて
 寝てるらしいじゃん」

「何、それ・・・
 
 それでも、rockerなの?

 ロッカーって言えば
 女好きがなるものでしょう

 女にもてたい、はめたい
 不純な動機じゃないの?

 それが、かっこいいんじゃ
 ないの」

テオは、首を傾げてみせる。

「それは
 一概には言えないだろう」

「ふうん」

「一人の女を愛して
 一生守り抜く
 それの方がかっこいいじゃん

 タマラ、おまえのこと
 ずっとあそこで待ってる人
 
 大事にしろよ」

香月はずっと遠くからタマラの
ことを見守っている。

「・・・・・・」

「そしたら、友達ぐらいになら
 戻ってやってもいいぜ

 さあ、ここは寒い、戻ろう」

テオは、俯くタマラの手を掴み
豪邸へと戻って行く。
< 159 / 471 >

この作品をシェア

pagetop