白緑蝶"vacances【続2】
日本の湿気でベタベタとまとわ
りつく夏を抜け出して、カラッ
カラの快適ライフ。

カリフォルニアのどこまでも
青い空。

「わー、届け」

私は空に向けてもう一度
この手を伸ばす

その手を掴むのは、ソラ。

「どうして
 そんなに元気なの?」

時差ボケで、ダルさ満点の顔を
して、ゆらを抱きながら私を見
つめるソラ。

「だって、苦手なのは
 飛行機だけだもん」

さっきまで気分が悪い、早く着
いてほしいと言って真っ青な顔
をしていた私が、今は嘘のよう
に、はしゃぐ姿を見て

ソラは一言。

「酔いそうだ

 頭痛い」

「ソラ、大丈夫か?」

「ロスに慣れてるはずの
 おまえよりもヒワの方が
 元気じゃんか」
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