白緑蝶"vacances【続2】
そんな気分の中、私を現実に
引き戻すのは、ゆらの行動。

あの、ゆらがジッとしている
わけがない。

「あっ、ゆらったら
 あんなに急いで 
 
 ゆらぁ
 そんなに走っちゃダメよ」

私の声に振り返ったテオさんは
手を繋ぎ合う私達の姿を見つめ
て、ニッコリと微笑んだ。

ソラと放れかけた手。

「ヒワ、いいよ
 
 僕に任せて」

ゆらを追いかけ、捕まえたテオ
さんの手に繋がれた、ゆらの
小さな手。

そして、ゆらのもう一方の手に
は、ヤマトの手が繋がれている

「ひわ、見てみろよ
 
 ゆらのやつ、あの歳でもう
 男を侍らせてるぞ」

「ホントだぁ
 
 さすがは、ソラの娘
 
 フフッ」

「何、何が、おかしい?」
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