白緑蝶"vacances【続2】
違う場所で飲んでいても最終的
には、気心の知れた亭主の元へ
こうして雪崩てくる。

彼等の行きつけの場所。

そんな、心落ち着く場所でワイ
ワイと盛り上がる、五人の男達
の中に、紅一点。

屈託のない笑顔を見せる、女性
が一人。

その素敵な笑顔は、この俺にも
向けられる。

俺と目が合うと、彼女は照れて
微笑む口元を小さな手で覆う。

「そうだ、ソラさん
 
 この間は、レコーディングに
 まで参加して頂いて、本当に
 ありがとうございました」

「ああ・・・」

「ウズキ、謝んなくていいって
 それは、こいつの仕事なんだ
 から」

「えっ、でもー」

瀬名を見つめてる人形のように
愛らしい仕草。

「私、上手に歌えなくて
 ソラさんには迷惑を・・・」

「(迷惑)かけてねえよ

 俺の方こそ、人に曲を提供
 したのは 今回が初めてで
 あんたの声のこととか全然
 わかってなかった

 悪かったな」
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