白緑蝶"vacances【続2】
その後、簡単にタマラさんの
お父様である男性の事を紹介
された。

ものすごい富を持つ資産家で
もちろんいろんな箇所に
住まいはあるが、ここ数年は
このマリブが大のお気に入り。

そう言えば彼等はさっきから
ずっと日本語で会話をしている

その事に私はものすごく違和感
を感じるんですけど、母国語と
同じぐらい日本語が上手なこと
には驚かされる。

タマラさんは、また何かを父親
に話した。

そして、父親の傍を離れ、ソラ
の腕を取ってみせた。

私は咄嗟にソラと繋ぐ手を解こ
うとしたけど、ソラはその手を
強く握り返す。

ソラの隣で手を繋いだまま私は
彼の話を聞いている。

「まあ、君達が日本で有名な
 アーティストだとは私は全く
 知らないで、立ち話など失礼
 をして申し訳ないね」

「いえっ、今は休暇中ですので
 バンドとは無関係です

 お気になされないで下さい」
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