年下のあいつ。
「部活、終わったら山下君に
屋上に来てほしいって
伝えてもらえませんか…?」
今にも消えてしまいそうな
小さい声で私に言った。
「ええっ山下君?」
女の子からあいつの名前が
出てきたことに驚きを隠せない。
聞き間違い…じゃないよね。
「お願い…できますか?」
ぎゅっと自分の手を
かたく握る女の子。
「うん。いいよ。
私に任せて。」
にこりと笑うと笑い返してくれて
「ありがとうございます!」
そう言って走っていった。