リクエストを基にした・【Kiss】シリーズ 『甘々』・8
思い返すこと一ヶ月前。

まだクリスマスも前の話だ。

わたしと彼は幼稚園からの付き合いで、小学・中学・高校と同じ学校に通った。

そして高校二年の現在は同じクラスメートでもある。

ずっと一緒だったせいか、わたしは彼のことを特別な男性とは思えない。

なのに『恋人』になった理由は、彼の告白にあった。

あの日、わたしの家で期末テストの勉強をしていた時、突然言われた。

「なあ、俺と恋人にならないか?」

彼は最近の男子高校生にしては珍しく、真面目で純粋なタイプだった。

だからこんなこと、ウソや冗談で言う人ではないと、分かってはいたんだけど…。

「…アンタ、熱でもあんの?」

ついそう言ってしまう。

「いや、ないが…。本気で真面目に言っているんだ。その…考えてみてくれないか?」

メガネをかけなおしながら言う彼を見て、わたしも流石に真面目に考える。

「…でも止めておいた方が良いんじゃない?」
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