不良の有岡について。


「…散らかってますけど。」


同学年の異性を家に上げたのは何年ぶりだろう。玄関のドアを開けながら言うと、礼儀正しく「お邪魔します」と入っていく有岡。

弟は靴を脱いでさっさと洗面所へ手を洗いに向かった。その後を有岡も着いていく。

「物少ないな。」

「確かに、散らかるものも無いかも。」

戻ってきた有岡が言う。私はキッチンに立って、既にチーズチキンカツを揚げようとしていた。

数日間で人を家に呼ぶようになるなんて…とキツネ色になったカツを見る。



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