不良の有岡について。
なんたってあの人は家事全般をせずに、遊び惚けていた。辛うじて、幼稚園に通っていた弟の送り迎えだけはやっていたけど。
でも、私の無関心癖はこんな時にきちんと効いた。
関係無いと思えば良い。家族なんかじゃないし、たまに家に居る他人だ。
そう考えると楽だった。
────はずだった。
冬の寒い日、私は受験勉強をしていた。
雪が降りそうだとお天気お姉さんが言っていたのを思いだして、窓の外を見る。
…そういえば、今日はあの人と子供見てない。
どこかに夕飯でも食べに行ってるんだろうか。