不良の有岡について。
フリョーノアリオカニツイテ。


ぺちん、と頬を叩く。

眉を顰めた後、うっすら目を開けるのを見てキッチンの方へと戻る。

目玉焼きを焼いて、付け合わせのサラダを盛り付けた。

ふあ、と欠伸をするのが聞こえて後ろをぎょっと振り向くと、有岡が居た。

いつの間に。


「おはよう。」

「おはよ。」

「学校のもの家でしょう? 朝ごはん食べて帰る?」


いつもより早い時間。

朝日はまだ顔を覗かせていない。


「そうする。」


まだ眠そうに言った有岡がこちらに近づいた。

唇が頬を掠めて、少し顔を見上げる。


「一人で全部背負いこむなよ。」

「背負ってないよ。」



< 227 / 256 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop