不良の有岡について。
扉に寄りかかりながら、中から聞こえる声を拾う。
遊んでいる何人の園児がこっちをちらちら見ていた。それでも知らない奴だからか、誰も寄ってこない。
「本当にすみませんでした」
哀河の謝る声。
「大丈夫ですよ、うちの子も悪いんだから」
「でも…本当にごめんなさい」
「お互い男の子だと大変よね」
喧嘩相手の母親らしい声。
「今回はどちらも大きな怪我はなかったし…お母さんも許して下さってるから。お姉ちゃん、顔を上げましょう。今日はもう帰って大丈夫ですよ」
姉貴がまとめる。