ショコラ~愛することが出来ない女~

「お疲れ様」

「はい。出来上がりが楽しみですね」


大手サイトのアバターに着せかえる服を提供するという形でまとまった企画。

雑誌に綴じこみになっている特定のナンバーを打ちこむと、その号で紹介した一部の服をアバターの服として登録できるという仕組みだ。

購入の手助けにもなってくれそうな企画に、個人的には期待している。


 そして、この企画を円滑に進めてくれた庄司くんへの好感度も日増しに上がっている。

並んで駅に向かって歩きながら、空腹が気になってくる。
ここで腹の虫が泣いたらかなり格好悪い。


「お腹すかない?」

「ええ」

「もう直帰コースだし、ご飯食べていこうか」

「はい。お付き合いしますよ」


他の社員と出かけたって、こういう掛け合いは普通にするのに。

何故だか少し緊張している私。
相手が彼だからかと思うと余計悔しい。

どうしてこうプライドと言うものはプライベートにおいては枷にしかなってくれないのだろう。

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