ショコラ~愛することが出来ない女~
17 キレイ事なんて

 それから、隆二くんからは音沙汰無くなった。

まあ、『ショコラ』に行けば会えるのだろうけれど、あんな約束してしまったら、クリスマス以外には逆に行きづらい。

そのうち詩子にでも連絡をとってみようか。
そうすれば何気なく隆二くんの様子も聞き出せるだろう。



 季節は9月になり10月になる。
同じ24時間なのに、陽が短くなるとそれだけで一日が短く感じるような気がするのは何故なのだろう。

打ち合わせを終えて薄暗くなってる空を見ると気力も半減するけれど、私がそれを顔に出したら皆にも伝染ってしまう。

ああ、誰か粋のいい新人でもこないかしら。
活力とか若さとか、そういうものが足りない気がするわ。


「康子さん、年明けからの企画についてご相談したいんですけど」

「あら、森宮ちゃん。いいわね、先に先にと目が行ってて」

「あは。ほら、先日から行なっていたWebの方のアンケート。あれを見てて思ったんですけどね。やっぱり読者層としてはOLさんが多いんですよね。で、もうちょっとファッション以外の記事を充実させてもいいのかな、なんて」

「んー。例えば?」


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