ショコラ~愛することが出来ない女~
痛々しいほどの本音は、チクチクと私の神経を刺す。
認めたくないけど、私と彼女は確かに似てる部分がある。
それにものすごく苛立って、言葉を選ぶ余裕さえもうない。
「人の幸せの世話をするなんて、自分が幸せで余裕のある人間のすることよ。
あなたは間違ってる。
愛してるんなら、自分から手を離すような真似はやめなさい。
自分で彼を幸せにすることを考えなさいよ。
いい? あなたは一度は選ばれてるのよ?
彼に愛される素地はあるの。
今みたいな本音を、もっとぶつけてみたらいいのよ。
前に言ってたわよ。『一緒に山を登るようなつもりだったのに。今は紐をつけて引っ張ってるみたいだ』って。
あなたは彼に嫌われたくなくてYESと言っていたのかもしれないけど、彼が求めてるものは同意じゃなく意見よ」
「……人事だと思って」
「ところがそうでもないわ」
辛辣な言葉は、自分の胸にも突き刺さっている。
私だってそうだ。
自分から手を離した。
怖くて。いつか嫌われることが、いつか見限られることが。
起きるかわからない『いつか』を想定して、それより先に自分から逃げ出した。
『まだ私を好きな彼』を一生焼き付けておくために。