〜☆恋愛学園物語☆〜(学園編)
中では人魚姫が、
男性の両腕を縛り、
上に吊り上げられ、

床に膝をつき人魚から
ムチで叩かれ、
体に傷がついていた。

人魚は男性に近寄り、
顔がうつむくと、
あごを右手で持ち上げ顔を上に向かせられる。

「うぅ…」

かなりの痛みに、
男性の顔が歪(ゆが)む。

「亡くなった人でも、
痛みがあるのねっ…」

顔が近づき、
口に口付けをする、人魚。
「…」

抵抗しないまま、人魚に
されるまま。

「…どう…
久しぶりの口付け…」

男性は、
少し苦しいのか、
首を動かし抵抗。

「うぅ…う…」

人差し指で、
傷ついた胸の辺りの傷をなぞる。

「…うっつ…」

痛みをこらえながら、
抵抗をしない男性。

「にぃちゃ…」

女の子はドアの向こう側に居る、男性の姿を見て…
思わず声をあげる。

「…んっ?その声どこかで…」

人魚が声に反応し
こっちに視線を向けた。

「…お前は…花梨(かりん)どうしてここに…」

男性は、
かりんと言う女の子を目にし、何かを感じ取る。

「来るなっ…」

男性の必死な声が、私の耳に入る。

「かりん…憎い子…」

人魚がこっちに近寄り
女の子に近寄る。

「憎い…憎い…」

人魚の声が恐怖の声に変わる。

「かりんちゃんこっちにっ」

かりんと言う女の子の手を引くしかし、
かりんと言う女の子は、
手を振り払い
急に走りだし
男性の前に立ちはだかり、両手を広げ兄をかばう。

「にぃちゃ…いじめちゃダメ!」

女の子は、必死で守りに。
「いじめ…いじめは私の方なの…わかる?」

人魚は男性の居る方に
引き返し女の子に近寄る。

「…かりん…来るなっ…」

体の痛みの激しさに、
抵抗出来ない男性。

「かりん…」

ムチをピンっと伸ばし、
かりんに向けて、
振り上げる。

「か…りん…!!
逃げるんだっ!!」

男性は、腕に繋げられた物を必死に取ろうともがく。
「うっ…あぁ!!」

擦り切れた腕が少し赤くなり血が出ていた。

「はぁ〜っ!!」

振り上げられ、
かりんに向かって、
ムチが飛ぶ。

“ドンっ”

ドアが全開に開き、
人魚の手を掴み、
ムチの攻撃を止めた。

「…君」







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