アタシとカレの時間。

「さ、智志?」

 こんな距離、幼馴染みでも友達の距離ではない、決して。

 動揺するあたしを更に動揺させるように智志は囁いた。


「好きだよ、和乃。」


 智志がゆっくりと離れる。
 智志の低音で甘い声が耳に残る。

「智志?」
「ずっと、てのは合ってないけど少なくとも中学校の頃から。」
 今度は智志が笑う。
「和乃が話してくれなくなって、目も合わせてくれなくなって、気付いた。」

 何故か、涙が溢れてきた。
 智志はそれを拭いながら更に笑う。優しく。

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