咲き舞う華は刻に散る


「…良いだろう。奴の暗殺にお前を加える」



「ト、トシ!?」



「良いではありませんか、近藤さん。彼女は剣に優れているようですし」



「山南さんの言う通りですよ、近藤さん。此処は美桜里さんの力も借りましょう。ねぇ、左之さん」



「まあ、俺は土方さん達の決定に従うから異論はねぇよ」



近藤以外は皆、賛成のようだ。



場の空気に押された近藤は渋々ながら、美桜里の参加を認めた。



「詳しくは後日教える。下がっていいぞ」



美桜里は土方の言葉に頷くと、立ち上がった。



ふと部屋を出て行こうとする彼女の顔を土方は捕らえた。



その美桜里の顔に土方は目を見張った。



暗殺に加えて貰えると分かった彼女の顔は嬉々としている。



まるで、血に狂う鬼のように――。






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