咲き舞う華は刻に散る
「この事は誰にも言わないよ。それに、君は醜くない…」
胸の前で交差された腕から彼女の動揺が伝わって来た。
彼女は今までどんな生き方をして来たのだろうか?
おそらく、辛く、哀しい想いをして来たのだろう。
腕の中にすっぽりと埋まってしまう程、小さな少女には重過ぎる想いを――。
「美桜里さん、君はとても綺麗だ」
鬼と人間の混血だろうが、彼女は綺麗だ。
外見や中身、すべてを引っくるめて、沖田は美桜里を綺麗だと思っていた。