咲き舞う華は刻に散る


藩主とその家族が惨殺された――。




その話はあっという間に巷に広がった。




生存者はたった三名。




藩主の妻と孫、そして、農民から成り上がった少年だ。




犯人は判明していたが、あの犯人を追うには危険過ぎるとお上から判断が下され、その件は幕を閉じた。




そして、その後、犯人である少女――、美桜里の姿を見た藩の人間は一人もいなかった――。





< 30 / 615 >

この作品をシェア

pagetop