咲き舞う華は刻に散る


「ふんっ。くだらない…」



美桜里は鼻で笑うと、二人の横を通り過ぎた。



「美桜里!」



すると、聡に呼び止められ、彼女は足を止めた。



「元気にしていた?」



聡の言葉に美桜里の肩がピクリと揺れる。



「元気にしていた?私が暴力を振るわれている時に見て見ぬふりをしていたあんたが言えたことか?笑わせるな」



美桜里は二人を睨みつけると、再び歩き出した。



そして、城を後にした。







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