咲き舞う華は刻に散る


「私も残る」



美桜里の言葉に彼の瞳は揺らいだ。



「何故だ?」



「容保様を守るために。それに城には私の従姉妹とお祖母様がいるんだ」



「生きていたのか…?」



「多分、あの事件以来、容保様が保護してたんだと思う」



瀕死の重傷を負わせたはずなのに、生きているということは会津公が保護したに違いない。



「んで、その従姉妹と祖母を守りたい訳か?」



「別に守りたい訳じゃない。でも、此処に残るからには守る」



美桜里の言葉に彼は呆れたように溜息を吐いた。



そして、小さく笑みを浮かべた。



「分かった。お前は此処に残れ。だが、死ぬなよ」



その言葉にはこれ以上仲間を失いたくないという切望が込められていた。



もちろん、美桜里は死ぬつもりは毛頭ない。





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