咲き舞う華は刻に散る


「美桜里、準備は良いか?」



回天の甲板にしゃがむ美桜里に土方が声をかけた。



「ああ」



「悪いな。本来なら、お前みたいな奴をこんな所に連れて来るべきじゃないんだが…」



土方は短くなった髪を掻きむしる。



「土方が気を病むことじゃない。私は自分から志願したんだから」



今回の作戦、美桜里は自分から参加を申し出た。



もちろん、土方達に反対された。




しかし、彼女は引かなかった。



土方から目を離したくなかったからだ。



もし、目を離したら、死に急ぐような気がしたから…。



何度も交渉した結果、ようやく土方達が折れてくれた。



ただし、条件付きで。






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