咲き舞う華は刻に散る

3.



それから数日後。



ようやく美桜里の怪我は完治した。



そんな中――。



「よし、誰も居ないな…」



美桜里は気配を消し、柱や壁を上手く使いながら、脱走を試みていた。



怪我が治った今、長居は無用だからだ。



そして、どうにか人に見つからず、門の敷居辺りに辿り着く事が出来た。



彼女はホッと息を吐く。




すべてを見抜いているだろうあの男にだけは見つかりたくない。






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