monoTone

誘拐事件!?

豪瑠が来てから、2日。

もうあたしは、豪瑠がいることに慣れてきま

した。

「…日向」

「ん?」

豪瑠もあたしの名前を呼ぶことに慣れたのか

わかんないけど、普通に呼んでくれる。

「バイク、どこにあるかわかんねぇ」

「え~、一昨日教えたのに」

「んな一気に覚えられるわけねぇだろ」

「ま~、しょうがない。教えてあげるよ」

あたしは、荷物を持って、京介にバイクのと

こで待ってると伝え、歩き出す。

「日向、ケータイ貸せ」

「は?」

「ここ住んで、まだ3日なんだけど」

「だから?」

「倉庫、どこにあるかわかんねぇだろうが。

俺のケータイ、電波悪ぃんだよ」

「え?まぁ…いいけど」

ケータイを渡して、そのあとは無言で歩くあ

たしたちは、駐輪場に着いた。

「とりあえずお前、倉庫まで来い」

「えっ?何で?」

「場所、わかんねぇから。お前にこのまま、

ケータイ借りてるわけにもいかねぇし」

「あ~、でもあたし、ここ戻って来なきゃだ

し」

「送ってやる」

「ん~…じゃあ、しょうがない」

豪瑠のバイクの後ろに乗るとすぐに、豪瑠は

バイクを走らせた。

「きゃっ」

思わず、ギュッと豪瑠の腰に掴まると、豪瑠

が肩を震わせた。

「速い~!!」

豪瑠、これは絶対にスピード違反だから。

「怖い~!!」

結構、楽しいけど。

「…着いた?」

バイクが止まったらしく、目を開けたら、大

きな倉庫の前だった。

「来い」

豪瑠の後ろを歩いてると、何人かの人に挨拶

された。

「何?」

「俺は、仮にも狼牙の総長だ」

「あっ、そっか」

豪瑠、関東一位のチームの総長なんだ。

「もしタイマンとかやったら、豪瑠が関東で

一番強いの?」

「…まぁ、俺か湊だな」

「京介、そんなに強いの?」

体とか細いし、顔も綺麗すぎるくらいだし、

喧嘩はあんまり強くないんだと思った。

頭脳戦とかしたら…強そうだけど。

「あいつは強ぇな。例えば…」

「例えば?」

「例えば俺ら二人が、同じ女を好きになった

として、その女を取り合ったら…」

「ん~、オレンジジュースある「取り合ったら?」

「すごい人数が、血を流す」

「すっご…まぁ、京介も豪瑠も惚れさせる女

がいるなら、会ってみたいね~」

いるはずないけど。

「入れ」
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