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夏の海の祭りⅢ

…無理、わかんない。

「数学なんて、出来なくても生きていけるも

ん」

「だよな~。勉強なんかする必要ね~よ。珍

しく、意見一致したな、チビ!!」

「数学はいらないけど、他はいる」

「チビ~チビ~チビ~」

「意見合わなかったからって、チビ連発する

の、やめてくれる!?」

あ~、数学出来ないし、ヤスうるさいし、イ

ライラする!!

「…おい、やるぞ」

「あ~…うん」

今現在、京介先生が教えてくれています。

とっても怖いと思ってましたが、とても優し

く教えてくださいます。

「…だから、ここが…」

「あっ、ここルートで」

「…そうだ。やってみろ」

そして、京介先生、半端なくわかりやすいの

です。

数学ができないあたしでも、できるようにな

ってしまいそうです。

「あと、応用1ページだけ!!」

「…わかんねぇ問題あったら、言え」

「うん」

京介も、あたしと同じペースでワークをやっ

ていて、自分が終わると、あたしのを見守っ

てくれる。

他の宿題は…あたしがうなだれてる間に、進

めてたみたいで、このワークの、このページ

が終われば、京介も宿題終了。

「…できたっぽい」

解き終わったけど、さすが応用。

難しいから、合ってる自信はない。

「…全問正解。よく出来たな?」

そう言った京介は、あたしの頭を撫でてくれ

て、笑ってくれた。

あぁ…京介って、なんて綺麗な顔してるんだ

ろう。

女のあたしでも負けちゃうくらい、肌なんか

も綺麗だしさ。

「京介のおかげだよ。ありがとっ」

京介先生は、みんなに笑われながら、顔を真

っ赤にしてました。






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