失恋夢
「なぁ、もう今日は誰も来ない気がするんだけど...」

そう言って、あたしは近くにある手作り感溢れる柵を背もたれ代わりにする。


遠まわしにサボろうって言ったんだけど、こいつに伝わるかな...


「そうですか?僕はそうは感じませんけど...」


やっぱり伝わらないか....


項垂れるあたしをよそにメープルは空を見上げて、

「それにしても、今日は星がきれいに見えますね。」


そんな笑顔でどうでもいいこと言われてもなぁ...


「そういば、こんなに星がきれいに見える日は迷い人が来やすいんですって。」


思い出したように、これまたどうでもいい情報を話し始める。





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