夏色狂想曲
*:。Epilogue







「…え、笑花っ…!?」





「……おはよう」

思えばあの日から、1度も家族とご飯を食べていない。

「……ご飯、食べる、ね」

「今っ…目玉焼き作ってるから…!あと、パンも焼くね、それとっ…!」


ママ…いつの間にか凄いやつれてる。驚いて狼狽えるママを見て、じわじわと、今さら申し訳なさが溢れてくる。


「ママ、ごめんね…」

「…っ……!」


小さく呟いたら、ママは泣き崩れた。



暑い、暑いけど、部屋を通り抜ける風が違う。頬を撫でる風が違う。

蝉も少しだけ、
その命を減らした。









≪おはようございます。今日から9月です。本日も晴天でしょう≫



こんにちは、
1年越しの9月1日

バイバイ、8月31日


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