夏色狂想曲


土手を下りてすぐの川で年甲斐もなく遊んだこともあったな。


川に沿って作られてる木製の足場に座って、まったりと話でもするつもりでいたのに。なぜか皐月は水鉄砲を持ってきてて。

気付けば高校生2人が周りの子供たちに混ざって水浸しだった。


あれだいぶ恥ずかしかったんだよ。


「……平和だね」



さわさわと優しい葉の擦れる音が耳に心地よい。


ここで2人で、こうやって肩を並べてるのがあたしの幸せ。

毎日皐月に会うのが、もうずっと前からあたしの生きる意味。


「皐月は?」


皐月はいま、しあわせ?


< 5 / 45 >

この作品をシェア

pagetop