天然カノジョとツンデレカレシ!?
住宅街を、ふたり並んで歩く。
「...ん」
「大丈夫ですよっ!自分で持ちますから!」
片手で自転車を抑えながら、
もう片方の手で椿先輩は私のカバンを掴んだ。
「...黙って預けろ」
「あ......ありがとうございます」
強引に奪い、自転車のカゴへ乗せてくれた。
「姫香、こっちこい」
そして私の腕を掴み、
道路側にいた私を内側に引っ張った。
────チリンチリンッ
その直後、後ろから猛スピードで自転車が通り過ぎる。
「椿先輩...ひかれないでくださいね?」
「何のために俺がこっち側にいんだよ」
そう言って
ハンドルを持ってない方の手で
私の手を握ってくれた。