【完】最初で最後の恋

病気の重さ

瞬の病状は、ひどくなる一方だった。

「瞬、大丈夫?」
「…おう」
細くなってきた体。
弱ってきた、体。
「奈央、いつもの…」
「ん」
ぎゅぅぅぅ…。
病室を移された時、初めて瞬は、“怖い”と言った。
そんな瞬を見てあたしは彼をギュッと抱きしめた。
そしたら彼が…
『すげぇ安心する』
そう言ってから、あたしは毎日会ってすぐと、帰る時に彼を抱きしめる。
強く、強く…。
瞬が生きていることを、かみしめながら。
「ん。元気でた♪」
「よかった…」

病気は、あたしたちが思っていたよりも…
深刻だった…。
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