終わらないセピア
『えっ…!?』
言われて初めて気が付いた。
そういえばずっと噛んでる。
びっくりしたあたしのおでこを
突っつき
『何年一緒に居ると思ってんの?
全部お見通しなんだから』と
はにかむモカ。
『エヘヘ。久しぶりに一緒に食べ
よう?』
目の前に出されたお弁当箱。
いつもは彼氏と二つ分のお弁当箱を
持って教室を出て行く後ろ姿を
見てたの。
今日もそうだったんじゃないの…?
わざわざ戻って来てくれたということ
は、お弁当だけ届けてあたしの元へ
来たということ…?
鼻の奥がツンとした。