黒木健蔵の冒険
里奈に見つかってから、健蔵は、しばらく外出を控えておとなしくしていた。


柚木華製薬の社内では、同時に社員の間で、靴磨きの老人のことが話題に上っていた。


「病気でもしてるのかな」


「身寄りがあればいいけど、1人で、寝込んでるんじゃないのか」

「辞めて、田舎にでも帰ったんじゃない?」

突然、靴磨きのおじいさんの姿が見えなくなって、柚木華製薬の社員を始め、この界隈のサラリーマンたちが、靴磨きのおじいさんを心配しだした。


「あのおじいさん、なんだか、会長に似てなかったか?」


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