Kissしてダーリン[短篇]
「よしっ」
ご飯を作りおえ、ソファーにダイブする。
テレビの中では今人気のお笑い芸人が出ていた。
時計の針は9時。
「本当、遅いな」
ふと頭に浮かんだ中村先生の顔。
【明日のことで少し…】
中村先生の声が頭の中で何度も回る。
明日って…
今日のことだよね?
小さな不安が私の胸を苦しくさせた。
敦は今、中村先生と一緒?
二人で何してるの?
考え出したら止まらない。
テレビから流れる笑い声すら私の頭には届かなかった。
敦…
早く帰って来て。
それだけでいいから。