ニセコイ
いやちょっと待て待て。近寄ってくる大雅に後退りしながら私は顔が引きつって行くのがわかった

「何ですか……近寄ってこないでくださいませ」

「いやいや、瑞穂かっけーなと思って惚れ直しちまった」


私はどん引きした。
いやでもお父様お母様の前だから演技しておかないと


「あは、ヤだなぁ大雅」

「何がヤなんだよ?」


ひっー!!だから近寄ってくるなってば
お父様とお母様をみる


めっちゃにこにこしてるめっちゃニコニコしてる
そのうち仲良いなって言いそうだよ


「いやー、仲良いな。僕たちもこんなときがあったね」


「そうね~。懐かしいわ」


言っちゃったよ
言っちゃったけど


こんなときって
私どん引きしながら後ずさりしてるだけなんですけど


「瑞穂、部屋行くぞ」


「ない!帰る」


ブンブン首を振る
ガシッと捕まれた手に私はうなだれた


「夕飯たべてって?今日スキヤキなの」


スキヤキ!?


「いただきますっ!!」

あ、やっちまったよ
食いもんにつられた
ああ゛ーっ


私はズルズルと大雅の部屋に引きずられてった。
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