悪魔のようなアナタ ~with.Reiji~




「そ、そういえば、次の会社って……」

「ああ、月曜に面接がある。中央区にある国際会計事務所だ」

「国際会計?」

「そ。言ってなかったっけ? おれの専門は国際会計。海外の会社や、海外事業やってる会社の会計のことだよ」


と言われてもいまいちピンとこない。

が、何やらすごそうな感じではある。


「へー……。てことは海外出張とか多いの?」

「そうなるだろうね。まだ何とも言えないけど」


玲士は腕を組んで天井を見上げた。

灯里はその横顔を眺めながら、コートの襟を無意識のうちにぐっと握りしめた。

もともと玲士がすごく有能だということはわかっていた。

けれどなんだか玲士が遠いところに行ってしまったような気がする。

もう同僚として灯里の傍にいてくれることはないと思うと少し寂しい。



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