悪魔のようなアナタ ~with.Reiji~




<side.玲士>



洗面所に入った玲士は洗濯機に洗剤を入れ、『洗濯・乾燥』ボタンを押した。

ピーッという音と共に洗濯機が動き始める。

ふと見ると、洗面所の壁時計は19:30を指している。

乾燥が仕上がるのは20:30頃だろう。


東京からの終電は確か21:30が最後だ。

終電には何とか間に合うだろう。

ふと鏡で見ると自分も相当埃まみれになっている。

玲士は軽くシャワーを浴び、新しい服に着替えた。



――――20:00。


玲士が洗面所を出ると、灯里はソファーで横になっていた。

どうやら疲れて眠ってしまったようだ。

……乾燥が終わるまであと30分。

玲士は灯里の隣に座り、頬に手を伸ばした。


「……灯里……」


玲士の胸に熱い想いが込み上げる。

――――本当は帰したくない。

このまま抱きしめて、自分のものにしてしまいたい……。


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