悪魔のようなアナタ ~with.Reiji~
『あとその指輪。何があっても取らないようにね?』
『……え?』
『それは運命の指輪だから。取った瞬間、お前はとんでもない運命を辿ることになるよ?』
玲士は笑いながら言う。
いつもの脅しか? と思い、灯里はあえて聞いてみた。
『へー。どんな?』
と灯里が聞くと。
玲士はしばし考えた後、くすりと笑って灯里を見た。
『そうだね。……例えば突然悪魔に拉致されて、部屋に監禁されて鎖で雁字搦めに縛られる』
『……』
『悪魔は誰も知らないところにお前を連れて行って、お前は一生悪魔以外と会うことはできない。泣いても叫んでもムダ』
灯里は唖然と目を見開いた。
――――聞かなければよかった。
さーっと青ざめた灯里に玲士は楽しげにくすくすと笑う。
『なんてね。冗談だよ』
灯里は上目遣いでジトッと玲士を見上げた。
本当に冗談だろうか?
もちろん玲士の気持ちは灯里も痛いほどわかっている。
そして自分も恐らく、同じぐらい玲士を好きになっていくのだろう。
そんな予感がした……。