愛を教えて ―番外編―
『仕事中に申し訳ありませんでした。あの……ついでと言いますか、午後からも休みにしていただけませんか？　減俸は覚悟してます。あの……ソフィと結婚について話し合う必要がありまして』


ジェイクは左手でソフィを抱き締めたまま、熱く潤んだ瞳で彼女を見つめていた。右手に携帯を持ち、卓巳に特別休暇を願い出る。

ソフィはジェイクの愛情に心から感動した様子だ。同じくらい熱い視線を返しながら、彼の首に手を回していた。


『え？　何ですか？』


苛立たしげな卓巳の口調に気づかず、ジェイクはソフィに軽くキスしてから聞き返す。


『だから……メモの二枚目は読んでないのか、と聞いてるんだ！』


そんな卓巳の返事に、ジェイクは慌ててメモを探した。


（君のウォッシュルームでの行いに愛があるのなら……。リッツのスイートがまだキープしてある。ふたりは今日一日有休だ。楽しんでくるといい）


ふたりはビックリして目を合わせる。


『あの……どうもありがとうございます！』


ジェイクは卓巳に感謝して、もう一度ソフィにキスをする。


『ソフィ！　ずっと君に惹かれてた。今夜も愛し合おう、何も使わずに！　愛してるよソフィ』

『私も……愛してるわジェイク。あなたのこと誤解してたわ。私って子供が大好きなの』

『僕もだよ。でも、社長より先に作ったら減俸かな？』


約一年後、ジェイクは減俸にならず、家族手当が支給されたのだった。




　　　　　　　　　　　　　　　　　　～fin～


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