愛を教えて ―番外編―
「あの……言っとくけど、顔を合わせたのは初めてだから。情報として聞いてただけで、別に、お前に黙っておこうとか、そういう意図はないから。そもそも、俺が知ったのも去年で……」


宗は必死になって雪音に言い訳をはじめる。

雪音は大げさなくらいため息をついた。


「ど、どうしたわけ?」

「ううん、別に」

「なんかあるなら言えよ。でも、俺はホントーに」

「ホントーに……何?」


宗は抱えていた三女を下ろしながら、


「たったアレだけの小遣いで、浮気なんてできるわけないだろ。ちょっと俺の立場ってヤツも考えて欲しい」


いきなり、小遣いアップの交渉を始める。


「カードがあるじゃない。給料比率で現金が少ない分、カードはほぼ無制限よ」


もちろん、明細書と照らし合わせて、税務署ばりの査察が入るが……。


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