愛を教えて ―番外編―
「そ、それは……その、万里子がイヤでなければ、試してみるくらい、してみたいかなぁと思うけど」


小首をかしげ、新妻の顔色を伺う仕草は……およそ三十男とも、大企業の社長とも思えないものだ。取締役会の連中が見たら、口を開けたまま三分間は固まるだろう。


そしてこちらも、人妻とは思えぬ初々しさで、


「卓巳さんがしたいなら……試してみても、いいです」


思いがけない『イエス』に、卓巳は息を飲んだ。


「本当に? コレを試してもいいのかい?」


卓巳の問いかけに万里子がコクリとうなずき、ふたりの唇が軽く重なった。


――そのとき



『オラオラ、もっと腰使え! 甘えてんじゃねーぞ!!』


男の罵声とともに、パンパンと女性のヒップを叩き始めたのだ。

白い肌に赤い手形が残る。


『やぁっ! 気持ちいいわぁ~もっとぉ~』 

『もっとケツふれよ! ほら、動けよ、メス豚!』

『あぁ~ん、もっと、言ってぇ~~ん』  


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