愛を教えて ―番外編―
みるみるうちに万里子の涙が溢れそうになり、卓巳は慌てて立ち上がった。

万里子のもとに駆け寄り、優しく、それでいて力を込めて抱きしめる。


「わかっている。もちろんだ。ビックリして見ていただけで、あんなことがしたいなんて……微塵も思ってない。本当だ」


卓巳の腕の中で万里子は小さく震えていた。


「万里子……身体が冷えている。ヒーターを入れて少し温まろう。その」

「……卓巳さんが温めてくださいますか?」


消え入りそうな声とともに、万里子の手が卓巳の背中に回る。

上着越しにギュッと抱きつかれ……卓巳は返事の代わりに、万里子をベッドに押し倒した。



靴だけ脱ぎ、ふたりはベッドの中に潜り込む。


「やだ、スカートがシワになってしまうかも」

「構わないだろう」

「雪音さんや、皆さんにも変に思われてしまうわ」

「思わせとけばいいよ」

「でも……」


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