愛を教えて ―背徳の秘書―
一方、卓巳は当面、個人秘書は雇わず、秘書室のメンバーを増員した。

そんな中、香織は系列銀行の秘書としてF総合企画を離れる。それは入院中に、宗が卓巳に頼んだことだった。



「でも、二年は長いわよね。宗さんの悪い虫が起きなきゃいいけど……あ、ごめんなさい」

「いいんです。今度、嘘をついて浮気したら……チョン切ってやりますから」


こぼれるような笑顔に雪音は包まれ、万里子も一緒になって笑った。


雪音の中から万里子を羨む気持ちが消え……彼女は、彼女だけの“愛”にたどり着いた。





                       ~fin~


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