大嫌いだから、ね? ③

 夕方、窓の外、雨は止んでいる。

 でも曇り空のせいか、ずいぶんと薄暗い。

 じぃっと携帯を見つめつつ、深呼吸して、ようやく、通話のキーを押した。

 呼び出し音がしばらく鳴って・・・やがて、留守番電話にかわった。

 メッセージをどうぞ、なんていわれて・・・反射的に



「え、あ、その、また、電話します!」



 ・・・なんて早口でいって、切ってしまった私は、なんてまぬけなんだろう。

 名前も名乗ってないし・・・これじゃ、不審電話間違いなしだ。



 ・・・私の、ばか。



 クッションを胸に抱きしめつつ、今度はメール送ってみようかと思う。

 

 ・・・でも、いま、おばかなことしたばかりだし・・・また、やっちゃったらどうしようって・・・ためらってしまう。

 パソコンのメールは慣れてるけど・・・携帯はまだ、慣れてない。私って・・・おくれてるかも・・・。

 中等部は学校で携帯を持つことが禁止だったので素直に従っていた私。でも、友達は何人か持っていたんだ。パソコンと、携帯でやり取りとかしていたの。

 いっそ、光くんにもパソコンから送っちゃう?

 でも・・・携帯もっているのに・・・それって、間抜けだ・・・本気で。



 機械おんちでなれるまで、失敗ばかりの自分が・・・すこし、悲しい。

  

 
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